タンブン(ทำบุญ)
タンブン(ทำบุญ)は、タイに旅行したことがある人は、一度は耳にしたことがある言葉でしょう。
タンブンとは、”徳を積む”という意味です。一般的には、”お布施”とか”寄進する”意味に解釈されますが、
タイ上座部仏教の教えに基づく伝統的習慣の一つです。
バンコクや観光地を訪れると、人目に付くのが、物乞いの多さです。その姿は痛々しく、同情を誘います。
実は、バンコク、その他、観光地にいる物乞いの約50%は不法滞在者だと言われています。
実際、定期的に、警察の取り締まりも行われています。
殆どが、隣国、カンボジアやミャンマーの人たちです。それも自分の意思で来た人は例外で、殆どが、マフィアによって、誘拐、または、強制的に連れてこられた人たちです。
従って、彼らに施したお金は、実は、彼らの手には入らず、全てマフィアの収入になると言われています。
それでも、彼らが警察に訴えるわけでもなく、マフィアの言いなりになっているのは、とりあえず、食事と住むところを与えられるからです。
彼らの殆どが、身寄りがなく、内戦や地雷なのど身体に障害を持った人が多いです。
そのため、本国に居てもやっかい者扱いされるだけで、それなら、いっそ、タイに行って物乞いをしていた方が、まだ、食べる物には困らないという訳です。
こういう彼らが生きられるのも、タイには、タンブンという習慣があるからです。
このタンブンは、上座部仏教に基づく習慣と書きましたら、他の上座部仏教国に比べて、タイでは、特殊に、このタンブンが発展しているように思われます。
タンブンの意味、徳を積むとは、自分に対して徳を積むということです。
タイ仏教は、ヒンドゥー教の影響もあって、前世、現世、来世の輪廻転生を重要視します。
現世で不幸なのは、前世において、良くない行いをした報いだと考えます。それを打ち消すために、タンブンをします。
徳を積むことによって、前世の悪い行いを償い考え方です。
また、来世において、幸せな人生が送れるように、徳を積みます。
つまり、タンブンには、自分に幸運が訪れることを願って行うことが、本質にあります。
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